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「鉄人28号」誕生秘話|123
「鉄人」の大きさは、は意外と小さいですよね。
野口: いまのゲーム版「鉄人」は10メートルぐらいなんですが、最初開発をはじめた時期は30メートルぐらいの大きさだったんです。
五十嵐: 原作のマンガ版でも、大きさがまちまちで。一番小さいときは、3メートルくらいのカットもあります。だから、大きさはずいぶん調整しました。
本間: 最終的に「X団」と「鉄人」の対比をしっかり出すために小さくしたんです。「鉄人」が大きすぎると、人間が見えなくなるので。
五十嵐: 「鉄人」が大きすぎると、正太郎くんはずっと上を見ることになるわけ。そうすると「X団」が見えない。
本間: 「鉄人」を小さくして「鉄人」を狙うようにさせたら、いきなり雰囲気がでてきた。
野口: 「X団」が組織的な動きをするようになって、面白くなったんです。敵操縦者のまわりに「X団」が集まったりして。
あの敵操縦者を「鉄人」で捕まえることもできるんですか?
五十嵐: フフフ。つかめますよ。
野口: つかもうとすると、彼らは一生懸命逃げますけどね。逃げ足が速いですけど、捕まえられますよ。
五十嵐: 敵操縦者がつかまっている間は、敵ロボットもがっくりと電源が切れているんですよ。
たしかにドラマがありますね。「鉄人」が敵ロボットを倒したときに、敵操縦者が「起き上がりボタンはこれだ!」「ロボットの操縦は難しい!」って叫ぶのには爆笑しましたよ。
本間: やっぱり敵を倒したときに、敵から「やられたー!」って言われると気持ちいいじゃないですか。声優さんが、たくさんのパターンのセリフを熱演してくれて。中にはお年を召した方もいらっしゃったのに! セリフの数なら『スーパーロボット大戦』にも負けてませんよ。
 『鉄人28号』は積み木遊びのように、遊び手のアイデア次第でどこまでも楽しさが広がる仕組みがたくさん用意されています。敵のロボットと対決するときも、パンチで倒すのではなく、空中戦で倒したり、建物をぶつけて倒したりとアイデアはどこまでも広がります。また、たっぷりと用意された「チャレンジモード」では、奇想天外なルールで「鉄人」を操作することを求められ、遊び手に新しい遊び方を提示するのです。
 中でも、最も難しいといわれる「鉄人ランク」。そこでは神のごとき「鉄人」の操作が必要とされ、最強の「鉄人」を追求することができます。
 どっぷりと広がる奥深さ! 無限に遊びこめる「鉄人」世界。その究極の鉄人プレーについて、サンドロットのみなさんに伺いました。
今回はストーリーも含めて、ものすごくボリュームがありますね。5段階のレベルに、40以上のミッション、20話以上のストーリー。
野口: 個人的にはチャレンジよりも、「鉄人ランク」のストーリーモード第十六話「ロビーの反乱 前編」がいいですね。
本間: それオカシイよ!
野口: 鉄人ランクの「村雨」ミッションも。
最初はクリアできないかなと思っていたんだけど、がんばったらクリアできたんで。まあいいやと思って、製品版に入れちゃいました。
うわあ、鉄人ゲーマーだ。
本間: 「チャレンジモード」の中では五十嵐さんが作った、飛行ミッションが好きなんですよ。
五十嵐: ああ、オレも好き。
本間: チャレンジモードは、みんなが思いついたアイデアをどんどん入れているんです。あと、「X団」のビルの上からはじまるミッションとか。
クリアすると明かされる「アドバイスモード」のプレイ映像は、誰がプレーしているんですか?
本間: 野口くんです。
あ、やっぱり!
本間: 野口君はすごい「鉄人」プレイヤーなんですけど、ビデオを回すとダメなんです。普段からビデオを回しっぱなしにしないとダメなんですよ。
『鉄人28号』はパンチとパンチをつないで、連続コンボができるようになると、面白さの質ががらっと変わりますね。
五十嵐: 普通にやっていると、最初は片腕のパンチだけで勝ち進めるんだけど、そのうちに両手の力を一度に貯める(ボタンを押して、力をためる)ことに気がつく。そうすると、アッパーからストレートというコンボ攻撃を覚えるんです。このコンボがあれば、ほとんどのミッションをクリアできるんだけど、さらにもう一段階上のレベルを目指すと、もっと突き詰められる。
○ボタン、□ボタンを押して、さらに△ボタンを押すようになってくる。突進やロケットチャージ、急降下などの必殺攻撃のコンボを覚えると、さらに面白いですね。
本間: その面白さを伝えるために、アドバイスモードが入っているんです。ぜひ、コンボの奥深さに挑んで、新しい「鉄人」の面白さに目覚めてください。
ビルの街の中心でガオー叫ぶ!サンドロットと「鉄人」。
 ずっと気になっていたし、ずっとあこがれていた。サンドロットというゲームディベロッパーの動きはずっと注目していた。
 ロボット好き、特撮好き、ゲーム好きというコアメンバーが魂を込めて、作っているんである。そりゃ、ツボをおさえた出来になるはずだ。彼らのロボットゲームが面白いのも納得がいった。
 個人的な感想だけど、僕は彼らのゲームの「揺れる」ところが好きだ。僕がコントローラを操作して画面の中の巨大ロボットが一歩進むと、街がぐらぐらと揺れ、画面が揺れる。ぶるぶるとコントローラが揺れ、僕の心も揺れる。ロボットが動くことの振動と、僕の心の躍動感。僕は、この独特な揺れを「サンドロット振動」と勝手に呼んで、いつも注目している。『鉄人28号』を遊んだときにも、ひと目でわかった。これはサンドロット振動だ! ガオー!
 「揺らし、揺らされながら」第三者(プレイヤー)の視点から見える巨大なロボットの姿は、まるっきり怪獣映画を連想させる「特撮」映像だし、ぶるぶると震えながらリモコンの役割をなすプレイステーションのコントローラは、サンドロットのゲームのためにデザインされたかのように思えてくる。
 すべてはサンドロット振動が呼び起こした、ゲームの魔法。
 『鉄人28号』には特別な魔法がかかっているんだ。
 サンドロットの魂はいつも炎のように「揺れながら」燃え上がっているに違いない。取材を終えた後の帰り道、僕はそんなことを考えていた。
取材・文/志田英邦
ライター。ゲーム開発者や映画監督、作家のインタビューを多数行う。著書に『ゲーム・マエストロ』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)。『蛇VS龍 小島秀夫 × 北村龍平 対談集』(太田出版)など。最強のゲームカルチャー誌『CONTINUE』(太田出版)でも、たっぷりと寄稿中。
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